後書きを借りて、言い訳と釈明を。 裏葉柳 ここまで読んで下さってありがとうございます。管理人の杠葉侑です。 歴史が好きな管理人が江戸時代に手を出した結果、この話が出来ました。 構成だけ考え、Web拍手で先攻公開したのはこれの7話目にあたります。 パラレルもいいところで、拍手で公開して不評だったらお蔵入りかな、とも思いましたが・・・。公開できて何よりです。 さて、注意事項。 これから読む方は、1話目は最初に読んで最終話は最後に読んで下さい。これさえ守って下さればどの順に読んでも話に支障は無いと思います。 遊郭のくせに裏シーンは出てきません。その辺は期待しないで。 話を読み進めていくと、矛盾点がいくつか見つかるとも思います。けれど、それは両方とも本物。様々な人がそれぞれの視野で見た吉原と榛原だと思って下さい。 時代考証はできる限りやりましたが、間違ってもここに書いてあることをテストに書かないように! 後書きから読む人もいるかもしれないので(私自身がそうなのです)、内容についてはこのくらいで。 もう中身を読んだ後の人は、そのままスクロールお願いします。 最後に、読んで下さった、または読んで下さる全ての人にもう一度感謝の気持ちを。 → 闇に咲く花 最初のページへ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ここからは本当に後書きのページ。 「闇に咲く花」を読んでいただいてありがとうございます。 では、まず設定について。 舞台は江戸。元禄時代、徳川幕府5代将軍綱吉公の頃で、吉原と榛原と言うふたつの色街。 ただし、吉原は幕府公認の公娼街で、榛原は非公認の岡場所、ということになっています。 一応メインは榛原の方で。 吉原は実在してましたが、榛原は架空の場所です。 時系列も内容もばらばらの闇花。 ヒロインの経歴をもとにちょっと整理すると、 ▼煤竹 ・ 七つの時に貧しい村から女衒に買われる。光宏は十一。 ▼深緑 ・ 十五になる。吉原のお正月。元日だけは遊女もお休み。 ▼墨 ・ 十五歳で太夫の次位の格子女郎となり、夕霧の名を貰う。 ▼蘇芳 ・ 十五。昼見世のひととき。結人は十七か八。 ▼潤 ・ 十五、格子から遊女の最高位太夫へ。三上は二十ちょっと上くらい。 ▼勿忘草 ・ 十四で雲居太夫の妹女郎として初座敷。笠井はそのとき十六。 ・ 十七の時、恋仲になった笠井が殺される。 ・ 玲に買われて、榛原の方へ。 ここから舞台は吉原から榛原へ移ります。 ▼茜 ・ 十七。火事で榛原焼失、仮住まい。藤代は笠井と同い年という事で十九。 ▼珊瑚 ・ 十七。英士も十七。陰間・・・要するに男娼です。 ・ 遊女らしい事って言うのは「客を満足させる事」。自分が先に満足しちゃうのは遊女の恥。 ▼浅葱 ・ 十八。一馬は十七か十八くらい。 ▼杏 ・ 十八。揉め事勃発。 ・ 椎名は二十ちょっと。鳴海も同様。みゆきは十五か六。 ・ 玲の店にみゆきが入る。 ▼竜胆 ・ 十八。水野は二十そこそこ。風祭はもうちょっと下。岡場所の取り締まり。 ▼素 ・ 十九歳。日常みたいなもの。 ▼福寿草 ・ 十九。三上は二十四くらい。身請けされました。 01「素」の後書きにも書いてありますが、当時に倣って数え年の表記です。 実年齢はマイナス1かマイナス2をしてくだされば。 でも当時と今と寿命なんか随分違うから、感覚も大分ずれてます。二十すぎれば女の子は売れ残りのご時勢のようです。 苗字が在るのは基本的に公家と武士だけ。だから出てくる女の子に苗字はありません。 商人は屋号がある。そして、金持ちの商人は苗字を貰ったりもする。 この辺で出さなかったどうでもいいネタ等を公開。 第1話「素」でヒロインに声をかけた黒服の男は三上だとか。いや、分かるか、普通に。 「竜胆」で話をろくに聞かなかった水野の上司は松下だったり。 一馬がいつヒロインを見たかというと、「深緑」の花魁道中の時。 有希はヒロインと同い年です。拾ってきたのもやっぱり日生親子。 その有希の吉原での遊女名「柏木」は、「夕霧」と対です。 「夕霧」は光源氏と正妻・葵の上の息子、夕霧大将。 「雲居」は、夕霧の幼馴染みで北の方の、雲居の雁という女性から。柏木は夕霧の幼馴染みで、光源氏のライバル・頭中将の息子。 もちろん。由来は源氏物語。だからお水の名前を「源氏名」って言うんだけど(本当だよ!)。 「勿忘草」の花言葉は「私を忘れないで」なのに、あれ? 身請けをしようとしていた渋沢は二十五くらいかな。もっと年上でもいい。 「花魁」って言葉は、もしかしなくても設定上の時代には無かったかも(使っちゃった)。もう少し後、江戸も後期になればあるけど。 まあ、そんなふうに。 結末について。 身請けさせる、っていうのは決まってましたが、誰にさせるかかなり悩みました。 だって笠井とあんなにらぶらぶにしちゃったし! 誰とくっつけようと、笠井の存在が邪魔になってくるんですね(何て酷い管理人!)・・・。 「勿忘草」の時点で渋沢に請け出されて終わりでも良かったかんですが、それだとただの悲恋なんで見送りました。結局三上に請け出させましたが、これもこれで良かった・・・かな。 色々ありますが、深く突っ込まないで読み通していただけたら嬉しいです。 そして、読んでくれたみなさんに再び感謝の言葉を。 最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。 2006/08/12 杠葉 和 拝 |