毒娘






「・・・はぁ・・・んっ・・・・・・」


男は馬乗りになって、少女の体を貪る。
暗い部屋の中で、湿った吐息が響く。


「もっと声を・・・」
「・・・んぁっ・・・、う・・・うえ・・・・さ・・・あぁん!」


はだけた緋色の襦袢から、白い足が覗いている。
障子から入り込む月光で、二つの影が絡み合う。


真夜中の、二人だけの宴。
酔った原因は酒ではなく、少女の乱れた姿。



戦途中に拾った娘。
使い道など、ただひとつしかない。


濡れた瞳が、理性を飛ばさせる。
求めた少女の唇は、仄甘くて苦い。




その宴は、朝まで続いた。
少女が鳴かなくなるまで。
男が動かなくなるまで。



翌日、朝日差し込む部屋に居たのは、
恍惚の表情を浮かべて横たわる骸と、薄く笑みを浮かべて涙を流す少女。

眩しい光が、白い肌を照らしていた。



駆けつけた家来も息をのみ、刀を抜く事すらできない。

外から、押し寄せる軍勢が見えた。




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2006/12/23